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アクティングスタジオ,瀬名 あずさ/俳優

私にとって一番の財産です

瀬名 あずさ

一平さんのレッスンを受けた時の第一印象は「今まで受けたかったレッスンはこれだ!!」でした。

今まで受けてきた様々なレッスンと明らかに違うのは、「相手からの影響を受けて、もしくは自分が発したセリフの影響を受けて表現をする。
とにかく自分から何かしようとせず、影響を受けざるを得ない内面を作っておきあとは身を任せることの大切さ」に重点をおいていることです。

そのために、俳優としての「楽器」に磨きをかけることがいかに大切かということを身にしみて実感しました。

人はみんな日常で、どんな小さな心の動きでも、自分から心を動かそうと思って動かしているのではなく、思わず心が動いてしまい、それによって行動や言動などが決まる・・・逆に考えると、どんなささいなことにも必ずそれをせざるを得ない原因があるのです。

こう考えて丁寧に演技をすること、役のことを愛情をもって理解してあげることの大切さを学びました。

そこで生まれた本物の反応による表現は、観客の心を惹きつけるということ。

例えば、相手役の言葉に嬉しくて涙してしまうシーンがあったとして、そこそこ経験があったりセンスのある俳優なら、気持ちはさほどなくても見せ方によっては、ストーリー、音楽、編集、他・・・の助けもあって、観客の共感を得られる表現はできるでしょう。
でもきっと、そこで俳優自身が本当に感動して涙したとしたら、その表現に勝るものはないと思うのです。

「慌てる」というシーンがあったら、上手な慌てた表現よりもその俳優が本当に慌てている様が数倍も面白いのです。
それはきっと「セリフの言い回し」や「表情」を超えた、「本物」であることのみが理屈抜きに観客伝わってしまう動かしようのない真実の賜物です。
日々のレッスンを真剣に取り組んで、日常生活もこのことに敏感になって生活することが「いつでもいい音の鳴る楽器を作る」ことに繋がるのだと思いました。

私自身、演技をしていて魂が震えるほど楽しいと思う瞬間は?
と聞かれたら「役として、自分でも予想がつかなかった表現が思わずできてしまった時」に尽きます。

一平さんに出会う前から、「どうしたらそういう状態になれるのか?」「でも待てよ?もしかしたら観客や製作側はそんなことは求めていなく、上手い見せ方さえしてくれれば十分で、結局はそれが一番大事なのでは?」などと悶々と考えていて、「もしも後者が真実ならそれでも私は俳優をやりたいのだろうか?」と疑問に思ったりしていました。
一平さんのレッスンは見事それを覆してくれました

もちろん内面だけで全てができてしまうのかと言ったら、決してそうではありません。

映画や舞台をたくさん観たり人間観察をしてヒントを得ることもとても大切。

そこで観た表現を真似してみて、自分の楽器がどんなふうに動くのかを実験し、何かを発見できて生かせて「楽器が良くなる為の助け」となればそれは単なる物マネにとどまらず、自分の中に取り込めたということ。

レッスンでは、内面があるのは大前提、そして当然のことで、それをどう魅せ、表現するかが問われる訳です。
しかも「ボクは、私は、こう感じているんですよ~!」というアピール型表現ではなく・・・(笑)

とてつもなく終わりがない学びであり、永遠に追求したい追求しがいがあるテーマです。

一平さんのレッスンを受けて、これまで書いた「私がめざす表現」が上手くいっている時と上手くいっていない時が明らかに自分でもわかるようになりました。
そして嬉しいことに上手くいっている時には、たいてい他人から観ても何かしらが間違いなく伝わっているのだということを知りました。

あとは自分に妥協せず、精進するのみです。

こういう状態になれたことが、私にとって一番の財産です!!

瀬名 あずさ

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