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アクティングスタジオ,中村 羽留香/俳優

本質を見失わず本当に生きれる俳優になりたい

中村 羽留香

私がこのアクティングスタジオと出会った当初は「合わなければすぐ辞めよう」という気持ちで始めましたが気付けば約2年続けています。

以前から俳優を志す上で自分のやっている事に疑問を感じていました。

発声、歌、ダンス、ストレッチ。
そして1つの公演のために台詞や動きを覚える。
でもそんな事は俳優を志していなくても誰にでも出来る事じゃないかと

自分にしか出来ない事をしたいと志してきた俳優という職業に大きなずれを感じていました。

2年経ち、当初の事を思い返すと自分と向き合う事からスタートしました。
見えてきたのは弱い自分
醜く汚い自分。
ネガティブな自分。
でも同じくらい愛情溢れる優しい自分。
愛くるしい自分。
ポジティブな自分。

そして比例するように見えてくるのは他人の事。

比例というより相乗の方が合っているのかもしれないけれど。
見えてくるから驕らず人に優しくなれる。
視野が広がり世界が広がる
自然と俳優としてやらなくてはならない事が見えてくる。
頭で考えるとすごく難しくなるけれど実は簡単で極当たり前の事なのかもしれない。

絵に例えるなら発声、歌、ダンス、ストレッチ、モノを覚える能力は絵を描く為の道具、筆やパレットにしかすぎない。
必要に応じて使い分ける物。

そして自分は真っ白なキャンバスでなきゃいけない

監督や演出家はそれぞれに違う絵の具を持っている。
それは絶対に同じ色が二つと無い。
だからこそどんな色にも染まれるようにいつも白くなくてはいけないんだと思う。
アクティングスタジオで最初にやったのはそのキャンバスを真っ白にする作業だったんだと思う。
もちろんそれは今でも継続してやっている事でそれ以外にも俳優にはやらなくてはいけない大切な事が沢山ある。
でもここがしかっりしていないと‘それ以外’を受け入れる事が出来ないんだと思う。

これは長年芝居をやってきた人にも初めての人にも必要な事だと感じている。

今までの私は一番身近な人間‘自分’を知りもしないくせに他人を力技で演じていたんだと思う。

‘生’ではないロボットのような人間。

忘れてはいけない事。
俳優はいつも誰かの人生の一部を生きているという事。
その一部を生きる為に埋めなくてはいけない隙間がいっぱいある事。
隙間を埋めるために知らなくてはいけない事、やらなくてはいけない事がいっぱいある事。
たぶんそれが俳優の本質だと思う。

本質を見失ってはいけない。

この2年間少しかもしれないけれど俳優としても人間としても成長できたと思っている。
本質を見失わず本当に生きれる俳優になりたい。

中村 羽留香

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